すべて開く すべて閉じるQ.花壇を作り、花の苗を植えましたがあまり育たず、花もまばらにしか咲きません。花いっぱいのきれいな花壇を作りたいのですが。A.肥料を適切に与えるのはもちろんですが、それ以前に最も大事なことは土づくりです。まず、苦土石灰や牡蠣殻石灰を1平方メートル当たり茶碗一杯程度まいて酸性を中和し、腐葉土やバーク堆肥、牛糞堆肥、ピートモスなどを1平方メートル当たり3~6キログラムを投入して土と良く混ぜ合わせ、柔らかで有機質に富んだ土づくりをします。また、良い土を他から運んで(客土)投入するのもてっとり早くて有効です。この作業を毎年繰り返すことで徐々に良い土へとなり、草花も良く育つようになります。同じ場所で同じ草花を毎年植えると、嫌地現象によりだんだん育ちが悪くなります。なるべく植える場所をずらすようにしましょう。Q.庭が建物の陰になって日当たりが悪いのですが、日陰に強い植木や草花がありますか。A.ほとんどの常緑広葉樹は明るい日陰であれば栽培可能です。またコニファー類の中でもレイランドヒノキのレイランディーやシルバーダスト、ウスリーヒバやツガの類などは対陰性がありますので、日陰地の植栽にも適します。草花は1年草としてはインパチェンス、宿根草としてはヤブランやギボウシ類、クリスマスローズやシャガ、シュウカイドウ、シダ類などが適します。Q.庭木の葉や枝がススがついたように真っ黒になってしまいました。病気のようですがどんな薬を使えばよいでしょう。A.これは一般にすす病と呼びますが、病気ではなく、カイガラムシやアブラムシの排泄物による物です。したがってアブラムシやカイガラムシを退治すれば自然に治ります。Q.鉢植えで育てていたコニファーが秋になってから急に元気が無くなり、ついに枯れてしまいました。鉢から抜いてみたところ土の中から白っぽくて太った虫が何匹も出てきました、枯れたのはこの虫のせい?防ぐにはどうすればよいのでしょう。A.コガネムシの幼虫による食害です。コニファーを始めとしてあらゆる植物に被害を与えることがあります。土中の有機物を食べて育ちますが、鉢の中で食べつくすと今度は木の根を食べ始め、小根を食べてしまいます。発見が遅れ、木や草花を枯らしてしまう事が間々あります。成虫が産卵するのを防げばよいのですが、なかなか難しいので夏から秋口の間に数回、オルトラン粒剤などの殺虫剤を鉢土の上に撒くか、スミチオンなどの殺虫剤の水溶液を注入して駆除します。秋に産卵して鉢の中で冬越しすることもありますので注意が必要です。Q.俗に「水かけ三年」といいますが、水かけのコツを教えてください。A.鉢物の場合鉢の表面が白く乾いたらたっぷりと(鉢底から流れ出る位)与えるのが基本です。(8分どおり乾いた時)真夏の日中でも乾燥してしおれそうならば水を与えてもかまいません。また、植物の種類により水を欲しがるものと乾燥気味を好むものがありますので、一律に与えないで調節しながら潅水してください。日中に水をかけると煮えてしまうという説はまったくの俗説に過ぎません。しおれさせるよりは水をかけたほうが100倍ましです。水のかけ過ぎよりも、過乾燥により根が傷んだのが原因で根腐れを起こすことが大変多いとおもわれます。気化熱により鉢が冷却されるので、温度が煮えるほどに上がることはありえません。20年以上真夏の日中にでも水をかけていますが問題が生じたことはありません。理想的には午前中に水を与え、夕方にはやや乾き気味の状態にするのがベストで、とくに秋~早春は夕方に潅水すると地温が下がるので植物の生育にはマイナスです。※庭・花壇の場合鉢物と同様に乾いたらたっぷりと(土中深くまで染込むように)与えるのが基本です。いくら天気が良くても毎日与えないで下さい。ある程度乾燥させて植物にストレスを与えないと根がしっかりと張りません。(葉水程度は良い)毎日のように水をかけていると根張りが弱く、環境の変化に弱くなります。ただし、浅根性のツツジ科の樹木やハナミズキ、ヤマボウシ、シャラなどは乾燥に対してやや弱いので、少雨が続くときには注意して下さい。※(春~夏に植えつけた樹は涼しい季節まで十分潅水して下さい)Q.庭木を早く太らせたいのですが、剪定した方が早く太るのでしょうか。A.いいえ、誤解です。盆栽が小さく剪定されているのに幹が太いことなどから、枝を切ったほうが太くなるという俗説があるようですが、まったく正反対です。植物は葉で光合成を行い、作られたデンプンを幹や根・実などに貯め、エネルギー源とすることで成長します。したがって少しでも枝葉が多いほうが早く太ります。枝を十分に伸ばしては切り戻すことで、小さくとも太い樹に育てることが出来ます。Q.ゴールドクレストを庭に植えていますが、下から枝が枯れて来ました。病気でしょうか、また治療方法はありますか。A.ゴールドクレストはコニファーの中でもとりわけ美しい代表的品種ですが、鱗葉が密生するため雨や夜露が乾きにくく、病気が発生しやすい品種です。複数の菌が原因で葉枯れ病が発生しますが、有効な治療法はありません。屋根下で栽培することで予防できますので、コンテナ向きの品種です。庭木としては病気が出やすいこと、根張りが弱く倒伏しやすいこと、生育が早く、大きく育ちすぎるなどの欠点が多く、庭に植えることはおすすめ出来ません。Q.コニファーは金気を嫌うのでハサミを使ってはいけないと聞きましたが本当ですか。A.ハサミで切ると切り口が茶褐色になり、見苦しくなります。しかし大きな樹やたくさんのコニファーすべてを指で摘んでまわる事は不可能ですし、新芽がすぐに伸びだす時期であれば刈り込みしてもすぐに切り口を隠すことが出来ます。刈り込みの適期は3月から9月上旬まで可能ですが、とくに3月と春伸びた新梢が固まった梅雨の頃が適しています。コニファーは肥培すればするほど生育が良く、品質が高まります。また、適切に刈り込みを行うことでより美しい樹姿となりますので、植えっぱなしにしないで2月に寒肥と必要に応じて梅雨の頃に追肥し、1~2年に1回は刈り込みながら育てて下さい。Q.シンボルツリーにしようとプンゲンストウヒを庭に植えて大事に育てていたのですが夏になって元気が無く、枯れてしまいそうです。水は毎日与えていますが回復させることは出来ますか。A.コニファー類は全般に適度な湿り気を好みますが、水はけが悪かったり、土がジメジメしている状態では根が腐ってしまいます。とくにモミやトウヒ類は顕著で、葉色が変ってきたときにはすでに手遅れの場合がほとんどです。お問い合わせのプンゲンストウヒは残念ながら手遅れだと思われます。コニファーを庭に植えつけるときは、やや高めに盛り上げるように植え、元の鉢や根巻きの肩部分が見える程度に浅く植えてください。根元が埋もれるような深植えは厳禁です。また、植え付け後にたっぷり潅水したら、その後は土の表面が真白に乾くまで水を与えないでください。真夏でも3日に1回程度の潅水で十分です。また、植え付け後1~2年経過すればよほどの乾燥地や日照が続かない限り潅水は不要です。Q.庭に植えたミモザアカシアが大きくなり過ぎてしまいました。小さくしたいのですが枝を切っても大丈夫ですか、また、いつ切ったら良いでしょう。A.ミモザアカシアやその仲間はたいへん成長が早く、また枝の木質が大変脆いので風や雪で折れたり倒れたりし易いですので、大きくなり過ぎないようにする必要があります。花後の3月~5月上旬に強く切り戻し剪定(葉が一枚も無い状態まで切ってもかまいません)を行えば樹形を維持しつつ、毎年花を楽しめます。オーストラリア産の花木で、やや寒がりますので秋~冬の剪定は厳禁です。Q.ブルーベリーの苗木を畑に植え付けましたが、あまり育たなかったり枯れてしまったりしました。どうしたらうまく育てられるでしょう。A.ブルーベリーはツツジ科の樹木で根が細かく、水と通気性が良く酸性(PH4~5.5)の土を好みます。このため植えつけ前に堆肥の投入など土壌改良の他、無調整のピートモスまたはブルーベリー専用土(酸性が強い)を一本あたりバケツ一杯程度植え穴に混入して植えてください。その後株元の乾燥を防ぎ、根を保護するためワラや籾殻、バーク堆肥やウッドチップなどの有機質で厚く(深さ10センチメートル位)マルチングし、腐食して薄くなったら追加して下さい。潅水は3日以上日照が続いたら十分に与えてください。植えつける品種は温暖地にも適し、土壌の適応性の広いラビットアイ系やサザンハイブッシュ系の品種が育てやすいでしょう。高品質の実を付けるハイブッシュ系は土壌改良や潅水などの管理に十分配慮しないとうまく育たない場合があります。また、あまり小さな小苗より、出来るだけ大株を植えつけたほうが失敗が少ないです。Q.ブルーベリーの花はたくさん咲いたのですが、実付きが良くありません。2本植えないと生らないと聞きましたが、同じブルーベリーが2本あればよいのですか。A.ブルーベリーには自家不結実性の品種が多く、同一系統で違う品種を植えると実付きが良くなります。異なった系統間では交配できませんので注意してください。また、同じ品種2本では交配相手になりません。下記が現在出回っているブルーベリーの主要な3系統です。ラビットアイ系自家不結実性強いので2品種以上植えるのがおすすめ。サザンハイブッシュ系自家不結実性の品種多い。サンシャインブルーなど自家結実性の品種もあります。ハイブッシュ系自家結実性ですが2品種以上植えたほうがより実付き良く、実も大きく糖度も高くなります。Q.オリーブを庭に植えて実を生らせたいと思います。このあたりでも可能ですか。A.オリーブの樹はマイナス摂氏5度程度まで、瞬間ならばマイナス摂氏10度程度まで耐えますので、温州ミカンが栽培できるところであれば大丈夫です。ただし自家不結実性が強いので異なった品種を植えないとほとんど生りません。自家結実性があるとされる品種ミッションなどでも、1本では極めて実付きが悪いので他品種を植えた方が良いです。受粉樹としては開花期が中生で花粉の多いネバディロブランコが代表的です。Q.庭のモミジの根元からオガクズのようなものが出ています。放置しておいてもいいの。A.カミキリムシの幼虫、一般にテッポウムシと呼ばれる害虫です。木屑を出している穴を針金などで探し出して、穴の中へ殺虫剤の原液を注入して泥などで塞いでおく。簡易な方法としてはノズル付きのスプレー式殺虫剤(ゴキブリやアリ用でもOKです)を利用してもかまいません。カミキリムシの幼虫はモミジ・カエデ類の他、シラカバやリンゴなどを好んで食害し、その他多くの樹種に付きます。放置すれば枯死に至ることも多いですので、時々根元周りを観察することを欠かさないようにしましょう。幹を食害する害虫としては他にボクトウガやキクイムシなどがあり、いずれも観察を欠かさないようにして早期に駆除するよう努めて下さい。また、予防としてはスミチオン乳剤を散布したり、高濃度溶液を幹に塗布する、成虫の捕殺などがありますが、決定的な方法はありません。Q.庭のモミジの紅葉を楽しみにしているのですが、今ひとつきれいな色になりません。肥料が足らないのでしょうか。A.いいえ、肥料不足ではありません。落葉樹の紅葉はその木の持って生まれた性質や、生育状態や気候などで大きく左右されます。いくら美しく紅葉する性質の樹でも、猛暑や台風で葉が傷んだり、秋遅くまで肥料が効いているときれいな紅葉は望めません。10月頃には肥料が抜けてやや痩せ気味位で、昼夜の温度差の大きい日が続くときれいな紅葉が期待できます。比較的環境に左右されないで美しく紅葉する樹木としてナンキンハゼ、ニシキギ、シラキ、ニッサ、オキシデンドラム(スズランノキ)、コバノズイナなどがあります。